親の遺産を相続することになると、今まで住んでいた家などの不動産が絡んでくる事例は非常に多く、これがトラブルを生む原因となるケースが少なくありません。現金による遺産分割は、数字できっちりと分けられるのですが、不動産は人数分で割るわけにもいかず、相続人や前妻などが居住している場合には、簡単に売り払うこともできないからです。
また、収益の上がっていない賃貸マンションのように、価値のない不動産を相続する場合もあります。その際は相続放棄の手続きを行う人もいますが、相続を放棄するとほかの財産も放棄しなければなりません。
相続する不動産が共有名義になっている場合もまた、問題が発生しやすいので注意しましょう。相続のために売却しようと思っても、共有名義人が納得しなければ、売ることはできません。日本の各地にある空き家の中には、こうした相続に絡むトラブルが原因で放置されてしまっているケースもあるのです。